たちばな本舗さん潜入リポート

                        2022年2月3日

                                     たちばな本舗 

                                    ・今井 晴見さん

                                    ・武樋 優斗さん

                                    ・西川 剛志さん

■たちばな本舗さんの成り立ち■

【長岡の美味しさを味わってもらいたい。発酵の魅力を伝えたい。】

百年以上の歴史を持つ味噌蔵で創業当時から現在に伝承してきた、自然醸造で、温故知新の精神で新しい事にも積極的に取り組んでいるたちばな本舗さん。

四季を感じられる清らかな自然の中で、素材と技術にこだわり味噌や漬物などの発酵食や伝統野菜を作っています。 そんな歴史あるたちばな本舗さんは2009年に老舗のみそ醸造会社の経営を継承し今の宮栄に拠点を移した。新潟県内の食堂、レストラン、ラーメン屋など飲食店の取引先も多く、発酵食品が皆さんの食事に欠かせないと言うことがよくわかります。そして、国内だけに留まらず、ベトナム、イタリア、台湾などにも進出している、グローバルな活動をしているのも魅力の一つです。

(左:たちばな本舗 今井晴美さん)

■食品ロスの取り組み■

たちばな本舗さんは自家農園『農縁』も運営されていて、辛子茄子、味噌漬けの原料の茄子はすべて自家栽培したものを使用しています。

育てた野菜の中には、味は同じでも規格外の野菜も出てきます。

それら無添加製法の新潟県産野菜100%使用で、味噌蔵が調合した味噌床でしっかり漬けた昔ながらのしょっぱい味噌漬けになり、フードロス削減に取り組んでいます。

■味噌のこだわり■

たちばな本舗さんの商品ラインナップのネーミングには社長のこだわりがあり、商品一つ一つの繋がりを感じるものになっています。

こだわっているのは、ネーミングだけではなく厳選した新潟県産の国産原料にこだわり、天然醸造の味噌を造っています。

〇商品〇

・半年熟成ー壱縁ー・一年熟成ー弐縁―・一年半熟成-参縁ー・二年熟成ー伍縁ー

・プレミアム味噌ー縁ー ー絆ー ・雪室低温熟成味噌ーほぅ味ー

〇味噌の基本〇

味噌は大豆と麹と塩を混ぜ合わせ、発酵熟成させたものです。

発酵熟成中に働く微生物が製品に影響を与えます。微生物の働き方は気候風土、それぞれの蔵によって微妙に変わる為原料が同じでも出来上がりは違っていて、原料や環境、水質などの条件も加わり、それらが複雑に関わり合うことによって、地方色のある千差万別の味噌が生まれました。

この四季折々の長岡でしか作り出せない味噌がどんな味なのか益々気になりますね。

〇麹の秘密〇

味噌作りに欠かせない麹。この麹という菌の不思議な作用で味噌は出来ています。

味噌は発酵食品の代表格ですが、使用している米や大豆はどのように発酵して味噌に変わっていくのでしょうか? その最大の秘密は「麹」なんです。

麦や米など麹菌をつけて繁殖させる麹は、米麹は米味噌、麦麹は麦味噌、豆麹は豆味噌となります。麹は、味噌や醤油、酒などわたしたち日本人の食生活を支える大きな柱となっています

(麴室の風景)

■作業場の風景■

長岡市宮内地区にあるたちばな本舗さん。情緒あるたたずまいで、100年以上の歴史を持つ味噌蔵は、長い年月を経て風情ある空間で一歩足を踏み入れると

昔から変わらぬ技術を一つ一つ手作業で造り出していく風景は時間を忘れてしまうほどの懐かしい感覚になり、不思議な感覚包まれます。

昨今、健康志向の方が増えてきて、簡単に手作り味噌を造れてしまう時代で、

実際私も、手作り味噌教室に参加したこともありますが、気温や湿度に影響を受けて

毎年の味を楽しめることも魅力と感じていましたが、逆に常に同じ味の味噌を

造る難しさを感じました。

常に変わらぬ味を造り続けるたちばな本舗さんの商品は、発酵の町長岡の地元の人たちに愛され続けています。